引用元 Bleacher Report |
8月27日のDeNA戦で待望の初本塁打を含む3本塁打を放ったキブレハン選手。優勝に向かうヤクルトに勢いをつける助っ人は実は意外な経歴を持っていました。本日はキブレハン選手の学生時代やなぜ野球選手の道を選んだのかを紹介したいと思います。
大学進学、フットボールの道へ
キブレハン選手はもともとアメリカンフットボールと野球の両方で才能を発揮していました。高校時代には両方のスポーツで学内記録を樹立し、キャプテンを務めました。野球では左翼手、三塁手、遊撃手として活躍し 、通算23本のホームラン、シーズン13本塁打の年もありました。
いくつかの一流大学のスカウトがキブレハン選手について高校の野球部のサルバーノ監督に電話をかけてきました。しかし、彼は子供のころからの夢であるプロのアメリカンフットボール選手になるため、アメフトの道に進むことをすでに決めていました。
キブレハン選手は運動能力が高く、クオーターバックとして活躍しました。しかし、ラトガース大学に入学したキブレハン選手がスタメンに入ることはありませんでした。キブレハン選手の唯一の弱点はスピードだったそうです。
引用元nj.com
そんななかキブレハン選手が母校に応援のために行くと、野球部のサルバーノ監督が彼に「パット、まだ遅くないぞ」と言います。サルバーノ監督はその時の彼の目は「フットボールでは思うようなキャリアを積めなかったが、野球ではまだチャンスがある」と思っているように見えたそうです。
野球の再挑戦
キブレハン選手がラトガースの野球チームへの挑戦を打診したとき、アシスタントコーチは彼が本当に活躍できるのか疑問を抱いていました。キブレハン選手は4年間打席に立っていなかったからです。
しかも、キブレハン選手が挑戦しようとしていたのはアメリカでも屈指の大学リーグでした。ラトガースのフェンスターコーチは「野球は自転車に乗るのとは違うんだ」と言いました。
キブレハン選手がトレーニングの場に現れると、フェンスターコーチはキブレハン選手の体格を見て驚きました。キブレハン選手は肩幅が広く、上半身から下半身まで筋肉質で引き締まっていました。キブレハン選手はアメリカンフットボールのない日に何度もトレーニングに参加しました。
ある日の午後、フェンスターコーチはキブレハン選手がほとんどのボールをセンター方向かプル側に打っていることに気がつきました。フェンスターコーチはキブレハン選手に、「逆方向への打球を打つには、球を深く、つまりプレートに引きつけてから打て」とアドバイスしました。
フェンスターコーチは「彼は、多くの人が何カ月もかけて習得するようなことを、まとめてやってのけたんだ」と話しています。キブレハン選手はなんと5回ほどのスイングでアドバイスに適応したといいます。20日の試合でも逆方向へのホームランを打っていましたね。
野球の道での活躍、一躍スターへ
4年間のアメリカンフットボールの選手としてのキャリアを終えてからわずか4か月後、野球チームに入るとキブレハン選手は瞬く間にスターになりました。リーグ初の3冠王を達成し、年間最優秀選手に選ばれました。
引用元On The Banks podcast no. 77 featuring Patrick Kivlehan - On the Banks |
キブレハン選手は51試合で打率.392、14本塁打、50打点、長打率.693、出塁率.480、24盗塁という驚異的な数字でチームを引っ張りました。キブレハン選手はバッティングだけでなく、アメフト仕込みの豪快な走塁、守備も魅力です。彼はメジャーリーグドラフト4巡目でシアトル・マリナーズに指名されることになります。
キブレハン選手は「みんないつも私のところに来て、『どうやってこんなことができたんだ』と聞くんです、なんと言って良いかわからない。私はただ肩をすくめて『私にはわかりません』と言うだけです」と語っていました。
また、彼に野球の再挑戦を勧めたサルバーノ監督は、「『こうすればよかった、ああすればよかった』と言いながら人生を過ごすのは、本当に嫌なものです。彼が挑戦してくれたことが嬉しい」と話していました。
その後はメジャーの舞台で戦ったり、オリンピックの代表に選ばれ銀メダルを獲得したりと、大学時代に野球をプレイすることを選んでいなかったらありえなかった様々な経験をして、今年ヤクルトスワローズに入団しました。
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